— NPO法人化記念イベント「働く人が元気!やる気!になるためのマインドフルネス&セルフ・コンパッション」実施レポート
— NPO法人化記念イベント「働く人が元気!やる気!になるためのマインドフルネス&セルフ・コンパッション」実施レポート
ストレス社会において、「心のセルフケア」はますます重要になっています。仕事に追われる日々のなかで、自分の気持ちや体調に目を向ける時間はどれくらいあるでしょうか。
そんな忙しい毎日を元気に乗り切るためのヒントをお伝えするべく、NPO法人マインドフルネス心理臨床センターでは、NPO法人化記念イベントの第2弾として「働く人が元気!やる気!になるためのマインドフルネス&セルフ・コンパッション」セミナーを開催しました。久しぶりの対面イベントということもあり、マインドフルネスやコンパッションを自身や会社で取り入れたいビジネスパーソン、支援職の方、コーチの方など、さまざまなバックグラウンドを持つ参加者が集まりました。
イベントでは、医師でありマインドフルネス僧侶として著名な川野泰周先生、グロービス経営大学院の教員としてグローバルリーダーの育成とコンパッションの普及に取り組んでいる若杉忠弘先生、そしてNPO法人マインドフルネス心理臨床センターの代表である小林亜希子が登壇し、心理学・禅・ビジネスの視点から、マインドフルネスとセルフ・コンパッションの実践方法について語られました。ストレスに対抗するのではなく、ストレスとうまく付き合う方法を知ることの大切さを学ぶ充実した時間となりました。
小林亜希子よりご挨拶
はじめに、小林より、NPO法人マインドフルネス心理臨床センター(CMAP)とMBRP(再発予防のためのプログラム)の紹介がありました。MBRPは、自分がどのような状態にあると「自動操縦」になりやすいのかを理解し、悪循環に気づくことでライフスタイルを変えていくプログラムです。過去の参加者の8割以上が依存行動と距離をとったり、手放したりすることに成功しているといいます。
また、CMAPはカリフォルニア大学サンディエゴ校と提携しており、プチ依存に悩むビジネスパーソン向けのプログラムや、講師として活躍したい医療関係者向けの講座を提供しています。MBRPを指導できる人材を増やし、プチ依存を含む「やめられない」という悩みを抱える人々に解決策を提供していくこと、さらには子どものスマホ依存にも焦点を当て、マインドフルネスの社会実装に貢献していくことが今後の展望として語られました。
セルフ・コンパッションが生む「充足感」(若杉忠弘先生)
若杉先生は、セルフ・コンパッションが単なる自己肯定感とは異なり、もっと根本的な「安心感」を生み出すものであると説明されました。初めてセルフ・コンパッションに取り組んだ際、エネルギーが湧いてくるような感覚を覚えたといいます。
特に印象的だったのは、合気道の例です。合気道では相手に対して思いやりが必要であり、力を抜いた構えの方が外からの衝撃に強くなるといいます。この「力は抜けているが中心軸はしっかりしている」という状態が、セルフ・コンパッションの考え方と共通していると解説されました。実際に参加者も体験する機会があり、より理解を深めることができました。
また、私たちは「脅威・動因・充足」という3つのバランスで生きていますが、多くの人はこのバランスが崩れ、特に「充足」が不足しているのが現状です。セルフ・コンパッションを取り入れることで、充足を活性化し、ストレスに対処しやすくなると語られ、会場では「自分に効く言葉」を声に出してみるエクササイズも行われました。また、「セルフ・コンパッションを実践したグループでは、燃え尽き症候群が減り、仕事へのエンゲージメントが高まる」という研究結果も紹介されました。
仏教・禅の立場から考えるマインドフルネス(川野泰周先生)
マインドフルネスは仏教の「八正道」の一つである正念(サティ)に由来していますが、欧米で普及する過程で仏教的な要素が省かれ、宗教色を取り除いた形で広まりました。そのため、多くの人が実践しやすくなった一方で、倫理観が欠落する危険性も指摘されています。
仏教の本質的な要素として「智恵(ちえ)と慈悲(じひ)」があり、智恵は物事を深く理解する力、慈悲は自分や他者への思いやりを指します。マインドフルネスの実践では、この2つをバランスよく持つことが大切であると語られました。また、瞑想は一人で行うだけでなく、他者と共にすることで深い気づきが得られるとも強調されました。
さらに、「戒・定・慧(かい・じょう・え)」という仏教の教えに基づき、マインドフルネスには倫理観が不可欠であると述べられました。単なる集中力の向上ではなく、倫理的な行動を伴うことで、より深い気づきや幸福感が生まれると説明されました。
最後に、参加者全員で瞑想を実践し、「呼吸」「体」「感謝」に意識を向けるワークが行われました。雑念を否定せず受け入れることで心の安定を感じ、特に「感謝をすることでエネルギーが生まれ、他者への思いやりも深まる」というメッセージが印象的でした。
参加者同士の交流と意見交換も実施
本イベントでは、講演に加えて、先生方による座談会やワールドカフェ形式での意見交換も行われました。参加者同士が交流しながら、日常のストレス対策やマインドフルネスの実践方法について語り合う時間となりました。
「こんなに深い話ができる機会はなかなかない」、「他の人の話を聞くことで、自分の状況を客観的に見られた」といった感想が多く寄せられ、会場は活気に満ちていました。
今回のイベントを通じて、対面形式で学びを深め、一緒にマインドフル瞑想を行うことの大切さを改めて実感しました。NPO法人マインドフルネス心理臨床センターでは、今後もさまざまなセミナーやプログラムを開催する予定です。興味のある方は、ぜひ今後のイベントへの参加をご検討ください。あなたの心の元気とやる気を引き出すヒントが、きっと見つかるはずです。
<今後のイベントはこちら>
2025年3月12日(水)MBRP講師養成講座 2025年9月スタート 無料説明会
https://mbrpttfree20250312.peatix.com/view
2025年3月13日(木)開催 支援職が知っておきたいマインドフルネスの効果・禁忌
https://mindfulness20250313.peatix.com/view
2025年3月18日(水)開催 【無料説明会】「やめられない!を手放す」マインドフルネス8週間プログラム (オンラインMBRP) & お試しセッション