代表ごあいさつ
― 目の前にすでにある幸せに、静かに光を当てる ―
情報とスピードがすべてを決めるかのように見える時代。
私たちは “もっと先へ、もっと多くを” と駆り立てられ、気づけば「いま・ここ」に漂うささやかな幸せに目を向ける余白を失いがちです。
その飢渇感を埋めるために、過度の仕事・買い物・アルコール・ネット・スマートフォン──さまざまな“依存”が生まれるのは不思議なことではありません。
かつての私もその一人でした。
しかし、「いまこの瞬間を、評価せずに感じ取る」という単純で奥深い〈マインドフルネス〉は、自動操縦をやめ、足元にすでに横たわる豊かさを味わい直す道を照らしてくれました。
燃え尽きと育児の両立に悩んでいた私自身が、毎日の実践を通して集中力や決断力を取り戻し、その力を現場で証明してきた経験が、当センター設立の原点です。
NPO法人化とこれから
2024年8月、マインドフルネス心理臨床センターはNPO法人として正式に認証され、
ミッション:エビデンスに基づいたマインドフルネスとコンパッションを中心としたアプローチを多くの組織・個人・医療関係者に届ける」
ビジョン:「マインドフルネスとコンパッションによって、人々の理解力と許容力を高めることを通して社会的変革を実現し、全ての人々が共生可能な社会を目指す」
をかかげ、公共性のある形でさらに推し進める基盤が整いました。
- 医療・福祉・企業へのアウトリーチ
第三世代の集団認知行動療法をベースとしたマインドフルネス研修を通じ、医療・福祉・企業関係者・当事者をサポートします。 - 依存症リカバリー支援
MBRP(Mindfulness‑Based Relapse Prevention)を年3回、講師養成講座を年1回開催します。医療・福祉施設等にMBRPに基づいた研修も提供します。 - マインドフルネス、セルフ・コンパッションの普及
MBSR(Mindfulness based Stress Reduction)MSC(Mindful Self‑Compassion)をベースにしたプログラムをご提案します。 - 研究と連携
大学などの関係機関と協働し、エビデンスに基づく介入の開発と効果検証を継続します。
代表プロフィール
公認心理師・臨床心理士。マインドフルネス講師。
大学・公立学校での学生相談に始まり、精神保健福祉センターでの依存症支援、母子生活支援施設でのDV被害者支援など臨床歴は20年以上。2019年に当センターを設立。
MBRP*¹を皮切りに、MBSR*²、MSC*³などマインドフルネスに関する国際資格を取得し、企業研修から医療現場まで幅広く指導しています。
“燃え尽き”などの困難をマインドフルネスで乗り越えた当事者としても、実践と科学を架橋することをライフワークとしています。
おわりに
比較と競争で疲弊する社会のなかでも、「自分はいま、十分に生きている」と感じられる瞬間は必ずあります。
その瞬間をともに見つけ、育み、広げていく──
マインドフルネス心理臨床センターは、NPO法人として歩みを新たにしながら、皆さまの“こころの軸”を支える伴走者であり続けます。
変化の速い時代だからこそ、“静けさに立ち返る力”を社会の当たり前にしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
マインドフルネス心理臨床センター(CMAP)
代表 小林 亜希子
*1 MBRP 依存行動に対するマインドフルネス
*2 MBSR マインドフルネスストレス低減法
*3 MSC マインドフル・セルフ・コンパッション

臨床心理士・公認心理師・MSC講師(trained teacher)・MBRP講師(MBRP:アディクションのためのマインドフルネス再発予防)アディクションへの支援とマインドフルネスが専門。趣味:カメラCanon6DmarkII、ガーデニング、SUP、キャンプ・登山&源泉掛け流しの温泉に怒涛の出撃。noteはじめました。https://note.mu/mindful_therapy