マインドフルネス認知療法(MBCT)のうつ病に対する効果は?

1992年、ジンデル・シーガル、ジョン・ティースデール、マーク・ウィリアムズの3人が共同で、MBSRと認知療法を基礎とした8週間のプログラムを作成しました。 2002年、3人は「うつ病のためのマインドフルネスに基づく認知療法」(MBCT)を出版し、画期的なプログラムとなっています。

MBCTの効果研究では、うつ病患者の再発率を50%減少させることが示された

MBCTの効果研究は数多く行われています。中でも、2つの無作為化臨床試験(2000年と2008年にJournal of Consulting and Clinical Psychology誌に掲載)は、MBCTが再発性うつ病患者の再発率を50%減少させることを示しています。また、Lancet誌に掲載された最近の知見では、薬物療法の漸減とMBCTの併用は、継続的な薬物療法の維持と同程度の効果があるとされています。

瞑想トレーニング後に不安やうつが減少する可能性が

 47の研究のメタ分析によると、不安やうつ病などのストレスに関連する健康問題は、瞑想で治療可能かもしれません。研究者らは、マインドフルネス瞑想プログラム(MBSRやMBCT)受講することで、心理的ストレスの負の成分が有効に減少し、抗うつ剤の使用から期待される効果に匹敵する効果があることを明らかにしました。

 そして、JAMA Psychiatry誌に掲載された9つの臨床試験のレビューでは、抗うつ薬を含むうつ病の日常的な治療法を比較した場合、MBCTは最長60週間にわたり再発率を低下させることが明らかになりました。Willem Kuyken氏らは、MBCTが、もともと抑うつ症状が強い患者に対して特に有効であることを明らかにしました。さらに、この再発リスクの低減は、性別、年齢、教育、交際の有無にかかわらず観察されました。

MBCTを通じ、悲しみと異なる関係性を築くことができるようになる

“We weren’t interested in trying to eliminate sadness, we weren’t interested in trying to get people not to feel sad. What we really needed to do was to help people develop a different relationship to their sadness.” Zindel Segal

“私たちは、悲しみをなくそうとすることに興味はありませんでしたし、悲しみを感じないようにすることにも興味はありませんでした。私たちが本当にすべきことは、人々が悲しみと異なる関係性を築くのを助けることだったのです。” ジンデル・シーガル

参考文献:

マインドフルネス・サイエンス

Mindful way through depression(mindful.org)