「私とセルフ・コンパッション」MSC講師竹内広恵さんへのインタビュー

今回の記事では、MSC講師の竹内広恵さんへのインタビューをもとに、「私とセルフ・コンパッション」についてまとめています。

  • 自己紹介をお願いします。

竹内広恵と申します。中国甘粛省で生まれ、日本長野県で育ち、中国と日本にルーツを持ちます。学部時代は国際法を学び、大学院時代はEU移民法を学びました。新卒は総合商社、オランダに移住してからは、日系銀行に勤めました。2022年にMSC講師資格を取得し、現在は、マインドフル・セルフ・コンパッション講座を日本語・英語で提供しています。

2015年より、人口の半分以上が外国人であるアムステルダムに住み、ミックスされた生活を送っています。普段耳にする言語は、①オランダ語②英語③日本語④中国語、自分が話す言葉は、①日本語②英語・オランダ語③中国語、読む言語は①英語②オランダ語③日本語④中国語、書く言語は①日本語②英語③オランダ語④中国語という、読み書き聴き話す言語がマッチしない生活をしています。

2023年夏から約一年間、長野県にて親子で山村留学をする予定です。好きな食べ物は、果物。苦手な食べ物は、甘すぎるもの。趣味は、ヨガ、瞑想。苦手なものは、球技・スポーツ全般です。

  • MSCに出会った経緯を教えてください。

「頑張れば何でも成し遂げられる。できないのは、頑張りが足りないせいだ。」という考えで育った私が、セルフ・コンパッションに出会ったのは、2020年春でした。当時の私は、慣れないオランダの生活も仕事も子育ても、頑張って「成功」させようと毎日必死でした。何が自分にとっての成功なのか分かりませんでしたが、頑張れば何とかなると信じ、毎日必死に走り続けていました。上手くいかなければ、自分の能力と価値を疑い、いわゆる「成功」を手に掴んでも空虚感が無くならず、いつまで走り続けたら、「十分」なんだろう、と途方にくれていました。

その時、たまたま耳にしたセルフ・コンパッション。全てのパーツを含め、今のままの自分を認めても良い。

良いんだ、このままで。どこかに到達しなくても、短所を直さなくても、今この瞬間の自分で十分で、完璧ではないけれども、自分の幸せ、ウェルビーイングの為に生きていいんだ。。。目から鱗でした。

そこから、私の「自分へ思いやりを向ける」冒険が始まりました。「思いやり」を持って、ありのままの自分を受け止めることにより、自分が本当に何を大切にしているのか、どういった日々、人生を送りたいのかということに真正面から向き合う勇気を持つことができました。そして、社会から求められていることではなく、自分らしい人生を送る為の選択をし、行動する勇気を持つことができるようになりました。

それ以来、「セルフ・コンパッション」が自分の居場所となり、エネルギーの源、楽しみになっています。

  • マインドフルネス、セルフ・コンパッションをどのように実践をしていますか。

私は、45分の座る瞑想を毎日2回行うよう心がけています。また、一日リトリートにも頻繁に行き、4日~6日のリトリートに1年に1,2回行くようにしています。

日常生活の中にも、マインドフルネスを取り入れることを心がけています。子供たちと一緒にマインドフルに食べたり、経験していることを五感で表現しあったり、或いは、子供と公園に行った際に、歩く瞑想を行ったりしています。家事もできる範囲で、野菜を切る作業や洗濯物をたたむ作業など、できる範囲でマインドフルに行うことを心がけています。

また、2020年冬より、毎週金曜日Circle of PracticeというMSC卒業生対象の実践グループに参加しています。毎週とても楽しみにしている時間ですし、自分を支えてくれているかけがえのない時間です。

  • 日常生活で、セルフ・コンパッションをどのように実践していますか。

小さなものから、大きなものまで、日常生活を送るうえで、嫌なこと、苦しみは避けて通れません。セルフ・コンパッションを練習する機会がたくさんあります。私は、特に子育てにおいて、セルフ・コンパッションを応用しています。

4歳児、2歳児の癇癪、喧嘩、コントロールできないことに振り回されている自分に、まずは思いやりを向けることで、子育てにおける困難を以前に比べ、そのまま受け入れられるようになりました。自分のことにも意識を向けることができるようになり、人に助けを求めることができるようになしました。自分がハッピーであると、子供達も嬉しそうですし、イライラが格段に減り、楽しい時間がグーンと増えました。そして、何よりも、私が自分を大切にすることを実践することを見ることで、自分を思いやることを、子供たちが学んでくれたらなと願っています。

  • MSC講師として大切にしていることを教えてください。

まずは、自分が日々練習し、トレーニングを受け続けています。はじめてMSC講座を受けた2020年夏以降、MSC関連の講座を受け続け、マインドフルネスを深めるためにリトリートに定期的に参加するようにしています。

また、参加者の方がありのままでいられるよう、真摯に話を聞く、受け止めることを大切にしています。実践を続けるためには、楽しいことも大切だと思っていますので、皆さんが楽しめる要素を取り入れるよう心がけています。

  • 好きなことは何ですか。

まとまった休みがある際に、家族とサイクリングに行くことが楽しみです。電動自転車で、あまり体力を消耗せずに、家族とアウトドアを楽しみ、様々な場所を旅しています。去年の春には、AmsterdamからEnschede という町まで、約350kmを8日かけて、キャンプしながら旅しました。夫はロードバイクで、後ろに長男を載せ+次男を載せたチャイルドトレーラーを牽引し、私はキャンプギア等荷物を運搬しました。長男が1歳の時には、3人で長野県松本市から乗鞍岳までサイクリングしました。

日々の楽しみは、瞑想の時間、子供達とゆっくり美味しいものを食べている瞬間、夜の一人時間、ヨガです。

広恵さん、ありがとうございました! 広恵さんがいかにセルフ・コンパッションやマインドフルネスの実践に真剣に取り組み、そのことが人生を変えているのかについてがよくわかりました。

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