セルフ・コンパッションの学び方 

はじめに

こんにちは。マインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)講師 trained teacherの竹内広恵です。2015年よりオランダに住んでいます。アドラー心理学に興味があり、セルフ・コンパッションとともに子育てに応用しようと日々トライしています。(1歳と4歳の男児の子育てをしています。)

子育て中の私のセルフ・コンパッションとの出会い

私がセルフ・コンパッションに出会ったのは、2020年春でした。当時の私は、今まで慣れていた考え方と正反対のオランダの価値観に挑戦され続けて迷子になり、仕事でも子育てでもプライベートでも、どんなに頑張ってもどうにもならない八方塞を経験していました。それでも歯を食いしばって耐えればどうにかなると信じ、毎日戦闘モードでした。そして、大事な家族との関係にも亀裂が入り、ストレスで健康状態が最悪になって、やっと、何かを変えなければと思い、重い腰をあげました。

様々なポッドキャストを聞いていたところ、たまたま耳にしたセルフコンパッション。今のままの自分で良い。頑張らなくていい。自分に鞭を打たなくても夢は叶えられる。「頑張らないと価値がない」と思っていた私には、目から鱗の考え方でした。

そして、Center for Mindful Self-Compassionが主催しているLOMSCという10週間のオンラインコースを受講し、それ以来、MSC8週間コースをリピートしたり、CDP(Compassion Deep Practice?)という8ヶ月講座を受講しながら、日々セルフ・コンパッションの実践を続けています。

こんな方におススメ

セルフ・コンパッションは、辛い時には自分に寄り添い、一押しが必要な時には自分を一押ししてくれるスキルであり、ありのままの自分で、自分らしく生きる道しるべとなりえます。生きにくさを抱えている方、自分を変えたいと思っているものの、なかなか変えられず失望している方、自分に厳しい方、プライベートや仕事で人の世話をしていて疲れを感じている方、ウェルビーイングを高めたい方におススメです。

セルフ・コンパッションの学び方

セルフ・コンパッションは、正解のない自分と向き合う冒険です。MSCを学ぶうえで、私が大切にしていることを三つ紹介します。

  • グループで学ぶ

セルフ・コンパッションでは、共通の人間性をとても大切にしています。辛いことがあるのも、楽しいことがあるのも人間だから。それぞれの場所で、できる範囲で自分のベストを尽くしている仲間と共に学ぶことで、新しい気付きがあったり、共通のものを見つけたり、辛い時にお互いを支えあうことができます。グループで学ぶからこそ、「共通の人間性」が要素の一つともなっている「セルフ・コンパッション」を深く学び、体感することができます。MSCは、言葉だけでは語り切れない、身体で、心で、自分の全てで、体験するプログラムです。

  • プロセスを信じる

セルフ・コンパッションについては様々な研究があり、ウェルビーイングが高まることが分かっています。学びの過程で迷ったり、何も効果を感じなかったり、うまくいかないと感じることもあると思います。時には、セルフ・コンパッション自体に対して疑いを持つことがあるかもしれません。

あるいは、そもそも自分は、セルフ・コンパッションを学ぶことが無理だと感じる時があるかもしれません。その際には、それは誰もが経験するものであり、学びの過程の一部であることを思い出してください。そして、研究に基づいたプログラム、プロセスを信じて、無理のない程度で続けてみてください。講師は受講生の皆さんをサポートする為にいるので、相談したいことがあれば遠慮なく講師を使ってください。

  • セルフケアとして、楽しんでできることを小さく始めてみる

小さく始めることを意識してみてください。ホームプラクティス(宿題)が全部できなくても、自分を責めず、できることから、少しずつ行ってみてください。身体が覚えていくような、そんなプロセスを楽しんでみてください。

これをしなければいけない、こうでなければならないではなく、好奇心を持って、とりあえず行ってみてください。MSCコースでは様々な題材を提供しますが、それをどう耕していくのかは、人それぞれです。最も大事なのは、自分の心のために、自分の身体のために、自分という人間の為に、行うということです。苦しんでいたら、それはセルフ・コンパッションではないのです。

皆さんがご自身の幸せ・ウェルビーイングの為に、少しでも時間とエネルギーを使えることを祈っています。そして、どこかで一緒にセルフ・コンパッションを実践できたらとても嬉しいです。

直近のスケジュールは、こちらをご確認ください。