日本初!誠心会神奈川病院にて「依存症・アディクションのためのマインドフルネスプログラム」MBRP-RA(全8回)をご提供させていただきました

2023年5月-6月にかけて、誠心会神奈川病院にて、アディクション用のマインドフルネスプログラムであるMBRPの簡略版MBRP-RAをアルコール依存症の患者様向けに提供させていただきました。

事前に4回のマインドフルネスおよび、MBRPについてのスタッフ研修を実施したのち、筆者がメインファシリテーターとして、スタッフの数名の担当者と共に、患者様向けのプログラム(MBRP-RA)を8回施行し、無事修了することができました。述べ35人以上の方にご参加いただき、貴重なご意見も多数いただきました。スタッフの方にも多くご見学いただきました。

MBRPは、海外でも日本でもエビデンスのあるマインドフルネスをアディクションからの再発予防に特化した2時間×8週のプログラムです。実際の病院現場ではもっと短い時間でないと患者さんの集中力がもたない、2時間のプログラムを実施する時間を取るのが難しいということで、現実的な選択肢として、1時間×8週間で、どの回からでも参加可能なMBRP-RAを本邦初、実施しました。

事前事後アンケートの統計的処理は今後行っていきますが、アンケートにご回答頂いた方は9名(男性8名女性1名)で、平均年齢は57.8歳です。入院および外来のアルコール関連問題を有する患者様です。

自由記述としては、

  1. 心が落ち着き、具体的な落ち着かせる方法(例:深呼吸)が身についた。
  2. よくわからない
  3. 思考を一時停止し、呼吸に集中することで考えや見方が変わる。相手の立場にも気づけるように。
  4. 自分の行動に対して責任を感じるようになった。
  5. 一部ではまだ理解できていない。
  6. 行動する前に一歩立ち止まれるようになった。
  7. 信頼や家族といった大切なものを失うことの重みに気づき、余生を意義あるものにしたいと考えている。
  8. アルコールに対しても第三者的な視点で考えられるようになり、より慎重に行動を考えるようになった。

があげられました。瞑想によって、心の安定、自己認識、責任感、そして一歩立ち止まる能力が高まっているようです。ただし、参加回数の少ない方は、すぐに理解できるわけではない様子も見て取れます。

アンケートからは、MBRPーRAを受講して手放したい習慣への変化については、9名中7名(77.8%)が(改善した、やや改善した)と回答し、2名が(22.2%)が変化なしと回答しています。特に1回のみ参加の方は、改善やマインドフルネスがどんなものなのかといった理解にまでは至らないような印象を受けました。マインドフルネスのクラスは二回以上継続して受けることで、ある程度の効果や変化を感じ取ることができるようです。また、変化が「やや悪化した」「悪化した」に回答された方は0名(0%)でした。

MBRP-RAでは、毎回プログラムの最初にチェックイン瞑想といって、自分の身体・感情・思考に気づきをむけることで自分の状態に気づく瞑想短時間行い分かち合いを行います。身体感覚への気づきが耕され、身体と感情の連動や、今後ご自分の回復にとって、何をすべきかといった課題や方向性にきづいて具体的にどんな行動をしていこうかと少しずつ検討できるようになります。結果、マインドフルネスだけでなく、グループでの体験のシェアにより、自分に優しい、周りに優しい孤独でない対応が少しずつ取れるようになっていくように見受けられ、筆者としても嬉しい変化と手応えが感じられました。

その他にも、衝動サーフィンや、SOBER呼吸法、価値観に基づく人生といったワークを通じ、自分が今後の回復においてどんなことを大切に生きていきたいか、衝動や渇望の波が来た時にも巻き込まれず、おちついて対応できるように、より効果的な対応や幸せに向かった行動がとれるようサポートしていきました。このような貴重な機会をともに体験してくださいました患者様には大変感謝申し上げます。 

多くの神奈川病院スタッフの皆様にもご参加いただきました。特にソーシャルワーカーの早間様、心理室の藤巻様、西村様にはお手数をおかけし、またご参加いただき大変お世話になりました。今後も簡単な瞑想をスタッフの皆様がアルコールプログラムの中で指導できるような研修やSVを現在行っております。写真はスタッフの皆様と。

病院に出張して、スタッフ研修、患者様対象のプログラムをご提供することができます。ご興味のある担当者の方は、下記までご連絡をくださいませ。

こちらのプログラム、および各機関にカスタマイズしたプログラムがご提供可能です。ご相談ください。