新年のはじまりに知っておきたいこと― うまくできなくても大丈夫な一年の始め方
新年のはじまりに知っておきたいこと
― うまくできなくても大丈夫な一年の始め方
新しい年の始まり。
この時期になると、ついこんな決意を立てる方も多いのではないでしょうか。
「今年こそ、仕事で感情的にならずに対応したい。」「忙しさに流されず、自分の時間を大切にしたい。」「疲れているのに、つい無理をしてしまう癖を手放したい。」「スマホを見る時間を減らしたい。」あるいは、「子どもに怒りすぎないようにしたい。」「もっと余裕のある親でいたい。」―どれも、とても大切で、切実な願いです。
けれど現実はどうでしょう。夜は寝不足、朝から時間に追われ、子どもの感情に巻き込まれながら一日を終える。「気づいたら今日もできなかった」と、ため息が出ることもあるかもしれません。私自身も、「今年はもっと心穏やかに過ごしたい」と思いながら、正月早々に、うまくいかない場面に直面しています。
続かないのは、意志の問題ではない
ここで、ひとつ知っておいていただきたいことがあります。
ストレスが高まると、私たちは無意識のうちに“楽になる行動”に手を伸ばしやすくなる、ということです。
気づかないうちにスマホを開いていたり、甘いものがやめられなかったり、イライラが態度に出てしまったり。これは、意志が弱いから起きていることではありません。ストレス下で、脳と心が自動的に反応しているだけなのです。
やめる前に、何が起きているかを見る
たとえば、子どもを寝かせたあとのひととき。「少しだけ」のつもりで手に取ったスマホを、
何を見ているかわからないまま、なかなか置けなくなることはありませんか。
それは、情報が欲しいからでも、怠けているからでもなく、一日中張りつめていた神経を、ほんの一瞬ゆるめるための行動なのかもしれません。
マインドフルネスでは、こうした行動を無理に「やめさせよう」とはしません。スマホを悪者にするのでもなく、「どうしてまた見てしまったんだろう」と責めるのでもなく、「逃げたくなるほど、今日は何があったんだろう?」と、やさしく問いかけていきます。
自分への声かけを、少し変えてみる
また、セルフコンパッションの視点では、うまくできなかった自分にダメ出しをする代わりに、「それだけ大変な一日だったよね」「今日もよくやっていたよね」と、自分に声をかけることを大切にします。
行動を変える前に必要なのは、自分を追い立てることではありません。
まずは、自分の内側でどんな反応が起きているのか、そして「今、何が必要?」というニーズに気づくこと。それが、小さくても確かな変化のはじまりになります。
新しい一年を、やさしく始めるために
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)やMBRP(マインドフルネスに基づく再発予防)は、「もっとがんばる」ためのプログラムではありません。ストレスの中で自動的に起きている反応に気づき、そこにほんの少しの“間(space)”を取り戻していくためのトレーニングです。
新しい一年の始まりに、完璧な目標を立てなくても大丈夫。
まずは、「私はどんなときに疲れやすく、どんな反応をしやすいのか」を知ることから始めてみませんか。それは、長く続く変化と、自分を大切にしながら生きる力につながっていきます。
講座のご案内
当センターでは、1月にストレスとの付き合い方や、衝動的な反応、「やめたいのにやめられない」行動を、責めることなく見つめ直すMBSR/MBRPの講座を開催しています。
新年のこのタイミングを、「がんばり直す」ためではなく、自分の心と体の反応を理解し、やさしく整えていく時間として、ご一緒できたら幸いです。
詳細は、講座案内ページをご覧ください。
・マインドフルネスストレス低減法(MBSR) 2026年1月14日スタート
https://mbsr20260114.peatix.com/view
・「やめられない!を手放す」マインドフルネス 8週間プログラム (オンラインMBRP) 2026年1月20日スタート
https://mbrp20260120.peatix.com/view

臨床心理士・公認心理師。保健福祉センター子育て課、小学校の巡回指導員、学生相談室、精神科・心療内科クリニックなどでの勤務を経て、現在は日々、子育てに奮闘しながらマインドフルネスを実践中。