🍂秋から冬に気分が下がるあなたへ~季節性うつ(SAD)とやさしくつきあうマインドフルネス
季節性うつ(SAD)とやさしくつきあうマインドフルネス
秋が深まり、朝晩が冷え込む季節になると、気分の落ち込みや意欲の低下を感じる方が増えます。「やる気が出ない」「眠っても疲れが取れない」「甘いものがやたらと欲しくなる」。このような変化が数週間以上続く場合は、季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder:SAD)の可能性があります。
季節性情動障害(SAD)とは
SADは、秋から冬にかけての日照時間の減少が主因とされる気分障害の一つです。光の不足によって脳内のセロトニンが減少し、メラトニンの分泌が乱れることで体内時計が崩れ、気分低下、過眠、倦怠感などが起こりやすくなります。
主な症状
- 気分の落ち込み、興味・喜びの喪失
- 倦怠感、過眠、日中の眠気
- 食欲の変化(特に炭水化物・甘味への渇望)
- 体重増加
- 集中力の低下
- 社会的な引きこもり傾向
SADの診断基準(DSM-5準拠:季節型パターン)
季節性情動障害は、「うつ病エピソードの季節型パターン」として次を満たすと診断が検討されます。
- うつ病エピソードが特定の季節に規則的に出現する(多くは秋〜冬)。
- その季節以外には寛解する。
- 過去2年間、この季節性のパターンが繰り返されている。
- 季節以外のストレス要因(仕事や人間関係の大きな変化など)では説明できない。
- うつ病の通常の経過よりも、季節パターンが明確である。
マインドフルネスで整える「季節のリズム」
SADは「心が弱っている」サインではなく、季節と体がずれているサインです。マインドフルネスは、この“ずれ”をやさしく整える実践です。
1. 朝の光を浴びながら呼吸を整える
起床後すぐにカーテンを開け、顔に光を感じます。曇天でも屋外光は室内の数倍〜十数倍の明るさがあります。3〜10分、呼吸に意識を置くだけで体内時計が整い、セロトニンが活性化します。
2. “だるさ”を否定せず観察する
「体が重い」「気持ちが沈む」と評価せずに気づくことから開始します。直そうと力むより、“あるがままに気づく”ことで神経系は安全を学習し、緊張が緩みます。
3. セルフ・コンパッション(自分への思いやり)
「この季節は誰でもしんどくなる」「よくやっている」「休むのも大事な仕事」と、自分に向けて事実に根ざしたやさしい言葉をかけます。自己批判を減らし回復行動(睡眠・食事・運動)を取りやすくします。
日常でできるセルフケア
- 朝の散歩や通勤時に外光を浴びる
- 就寝・起床時刻を揃える(寝過ぎにも注意)
- カフェイン・糖分の過剰摂取を控える
- 軽い運動(ウォーキング、ストレッチ、ヨガ)を日課に
- 体を温める・人と話す時間を持つ
必要に応じて、カウンセリング、医療機関との併用が有効です。症状が強い・長引く場合、早めの相談をおすすめします。
最後に
季節が移ろうように心にも波があります。マインドフルネスは波を止めるためではなく、波の上で安定して浮かぶ力を育てる実践です。セルフ・コンパッションは、その波の上で自分に寄り添う態度です。光とともに、無理なく静かに整えていきましょう。