マインドフルネス心理臨床センターNPO化にむけて-設立趣旨書-

マインドフルネス心理臨床センターは、NPO化を目指して、現在横浜市に書類を申請中です。提出した設立趣旨所を本日はご紹介いたします。

設立趣旨書

ステップ1:法人として取り組む社会的課題の現状・背景

日本では、多くのメンタルヘルスの課題に直面しています。2021年の厚生労働省の統計によれば、精神疾患を有する総患者数は約419.3万人です。また、2021年度の自殺者数は2万1007人であり、女性と若年者の自殺が増加傾向にあります。さらに、2022年には自殺した小中高生の児童・生徒が過去最多の512人という事実も明らかになっています。これらの背景から、メンタルヘルスの問題に対処することが緊急の課題となっています。

また、情報化社会の現代では、情報の取捨選択が難しくなり、マルチタスクになりやすい傾向があります。これにより、人々は容易に自動操縦モードに陥り、ストレスを溜め込み、健康状態を悪化させています。

ステップ2:望ましい状態として考えること

望ましい状態とは、マインドフルネスとコンパッションを中心としたアプローチによって、人々の理解力と許容力を高めることを通して社会的変革を実現し、全ての人々が共生可能な社会を目指すことです。私たちは、メンタルヘルスへのケアを可能な限り広く行い、結果として精神的・身体的な健康状態が向上し、人々が互いに優しさを示し、お互いを大切にしながら生きるウェルビーイングが基盤となる社会を実現したいと考えています。

ステップ3:社会的課題に対する解決策

私たちは、マインドフルネス心理臨床センターとして、エビデンスに基づいたマインドフルネスとコンパッションの介入を通じて、心の健康とウェルビーイングの向上を目指しています。正式なMBSR(マインドフルネストレス低減法)、MBCT(マインドフルネス認知療法)、MBRP(マインドフルネスベース再発予防)を提供することで、ストレス、不安、うつ病、アディクション、トラウマなどのメンタルヘルスの課題に悩む個人に対して支援を行います。また、MSC(マインドフル・セルフ・コンパッション)プログラムを一般の個人に提供し、幅広い人々に恩恵をもたらすことを目指しています。さらに、医療、教育、福祉の専門家との連携を強化し、マインドフルネスとセルフコンパッションの研修機会を提供します。

ステップ4:過去の活動

 私たちは、任意団体として2019年に設立し、これまで約150回の講座を開催し、延べ約 2000人の参加者に対してマインドフルネスやセルフ・コンパッション、アディクションへの支援について伝えてきました。主な活動としては、一般対象のマインドフルネスとセルフ・コンパッションのプログラム(MSC)、マインドフルネスに基づくアディクション再発予防プログラム(MBRP)、うつ病を対象としたマインドフルネス認知療法(MBCT)などを提供してきました。また、一般の参加者を対象とした無料の瞑想会や、援助職に特化したマインドフルネス&セルフ・コンパッションのベーシック講座、マインドフルネスと心理臨床に関する研修会なども開催してきました。これらの活動を通じて、多くの人々にマインドフルネスとセルフ・コンパッションの恩恵を届けることに努めてきました。

ステップ5:今後の取り組み

 将来的には、マインドフルネスやセルフ・コンパッションの恩恵をさらに多くの人々に広めるために、以下のような活動を展開していく予定です。

  1. 一般市民への啓発と体験の提供:マインドフルネスやセルフ・コンパッションのプログラムを一般市民に向けて提供し、多くの人々が直接体験できる機会を増やします。
  2. 援助職の教育・研修の推進:医療、教育、産業、福祉などの援助職を対象に、マインドフルネスやセルフ・コンパッションの理解と実践の機会を提供します。援助職の力を高めることで、より多くの人々に効果的なサポートを提供することができます。
  3. 連携の強化:教育、医療、福祉、行政、産業との連携を深め、マインドフルネスやセルフ・コンパッションの普及と活用に関する基盤を構築します。共同プロジェクトや研究の推進など、さまざまな形で連携を進めます。

 私たちの活動は、特定非営利活動法人として組織化されることで、

  1. メンタルヘルスの課題に対して効果的に取り組み、組織としての信頼性と公正な運営を確保することができます。
  2. 活動の透明性や公益性が高まり、社会からの信頼を得ることができます。
  3. 情報公開を通じて活動内容や成果を広く知らせることで、地域や国民からの支援や賛同を得ることができます。
  4. 教育機関、医療機関、福祉機関、行政・産業との密な連携を実現するための基盤となります。各機関との協力関係を築き、マインドフルネスやセルフ・コンパッションの普及や教育の領域での取り組みを進めることができます。
  5. メンタルヘルスの向上やウェルビーイングの促進、社会的な共生を目指すものであり、一般市民から援助職まで広範な範囲で恩恵を受けることができる活動となります。

 令和5年8月29日

      法人の名称 マインドフルネス心理臨床センター

      設立代表者 小林 亜希子