私のマインドフルネス道
こんにちは〜 臨床心理士&マインドフルネス講師の小林亜希子です。今日は、マインドフルネスにどうハマったかのお話をしたいと思います。
マインドフルネスを心理支援の1つとして認識
マインドフルネスのことは、知識としてはおそらく15年前くらいから知っていたが、まるでピンとこなかった。難しい患者さん(手首を切ったり、薬飲んじゃったりするような)の対応に効果が示されている弁証法的行動療法(Linehan)の中にマインドフルネスが含まれていたので興味はあったが、読んでもまるでピンとこないのだ。目の前の事に意識をむける?とか。はあ?って感じだった。
多くの人によくあるように、知識として知っているだけだった。
調子を崩した時にお医者さんに勧められたマインドフルネス
4〜5年前に仕事と子育ての両立がままらなくなり、燃え尽き状態に陥ったことがある。
とにかく、仕事のことしか考えられなくなり、常に頭痛がして、鎮痛薬を飲んでも首が痛くて、人に謝ってばかり・・・。最後の方は、仕事中に過呼吸気味になった。
「ああ、これは・・・もう限界だ。無理だ」
と思い、お医者さんに相談にいったら、少し休むようにいわれた。そして、「あなたは真面目すぎるんですよ。あとマインドフルネスがいいよ。わざわざ習いに行かなくてもいいから、本を読んで実践してみるといいですよ」
と、仏のように優しいおじいさんのお医者さんは教えてくれた。この先生が言うんだから、うさんくさがってたマインドフルネスも取り入れてみようかな?そう素直に思った。おかげさまで、2週間くらい休んだら症状はよくなった。
源泉掛け流しの温泉にいったり、岩盤浴でゆっくり呼吸したり、のんびりゆっくりしたら、少し人間らしさを取り戻せた。
自然にも癒された。人の世話ばかりじゃなく、自分がココロから好きなことをしようと思って、キャンプをはじめた。その趣味のキャンプは今やライフワークだ(笑) 何事も集中してやりすぎるのもクセである。
燃え尽きをよくしてくれたのは、自然(キャンプ)と、温泉、マインドフルネスだった。
本や、アプリのmeisoonとか、寝たまんまヨガなど、ヨガスタジオ系のアプリを用いて自分でマインドフルネスの実践をはじめた。
寝しなに実践すると、寝つきがよくなったり、そのまま寝てしまったり・・そういう感じだった。
そして、よくあるマインドフルネスに関する誤解だと思う、完全に「リラクゼーション法」と思って実践していた。
マインドフルネス初心者の頃の困難
初期の頃のマインドフルネスの困難について考えてみる。
マインドフルネスとは、
目的をもったやり方で
いかなる判断もせずに
今現在の瞬間に注意を向けることをいう(カバットジン )
注意集中も難しいのだが、この「いかなる判断もせずに」がすごく難しかった。
まず、初期の頃は、瞑想をすることへの照れと、斜め目線、怪しいんじゃないか?効果なんかないんじゃないか?と信じなかった。
判断しまくりである。
それでもどうしても身につけたいと思い、マインドフルネスストレス低減法というものをオンラインでアメリカのサイトで見つけた。
それで、8週間なんとかやりとげた。50時間!とのこと。
これで、瞑想を毎日実践できるようになったのだ。
そしてその後、マインドフルネス講師になるべくUCSDの講師養成プログラムに短期留学したりもした。
出産の次に頑張った出来事だった(笑)
一筋縄にいかない私のマインドフルネス道
マインドフルネス歴はそう長くはないのだが、どうも一般の人々と比べると、まあまあ大変であったように思う。
困難その1 落ち着きがない
じっとしているのが苦手なので、静坐瞑想は、はじめのころ5分でもう死にそうだった。雑念ぐるぐる、もういい!って思って、しょっちゅうやめていた。
困難その2 足がむずむずする
落ち着きのなさと関係しているのだろうか。足がムズムズするのだ。これが気になって集中できない。うーん、困った。
「ムズムズする感じを観察」することが大事なようだが、難しい。
困難その3 バックドラフトが割と起こりやすい
NOTEの記事で書いたのが、割とバックドラフト的なトラウマ記憶を思い出しやすい。
ボディスキャンや、瞑想ではリラックスするのが目的ではなく、「気づく」ことなので、それこそこんなことがあった・・こんな未消化の感情があった、なんてことに気づくのである。
おおおおおお!って感じだ。びっくりするし、その時は結構つらい。つらいのだがそれに気づいてケアすると、「ああそういうことか!」と楽になる。
バックドラフトの記事は、まだnoteにしか書いてないのだがこちら
瞑想したら、心の具合悪くなることだってもちろんあるのだ!
なので、瞑想はヨガ教室などでもやっているけれど、こういうバックドラフット体験してる人ってどうしてるんだろ?って心配になる。
私は、UCSDのMBSR/MSC講師のハースのりこさんや、今はMSCを習ってるナタリーさん、他色々なマインドフルネス講師に、相談しつつ今は実践している。
のりこさん曰く、「私の提供するマインドフルネス体験は必ず分かち合いがある」そうだ。納得。私も講師として、そうしたい。
いわゆるマインドフルネスストレス低減法などの8週間のマインドフルネスのクラスは、基本的に毎日の瞑想体験とその体験について分かち合う場があるのが特徴であろう。
そんなこんなで結構大変なマインドフルネス道だった。とにかく雨の日も風の日も、調子の良い日も悪い日もひたすら実践ということなので、継続してみたところ、なんとか30分〜50分くらい座れるようになった。
そして、毎日実践するようになると、いろいろなことがくっきりはっきり見えるようになり、幸せ感も強まり、今を生きている実感が強くなる。
色々なことに気づくたびに人生が楽になる感じがするし、はっきり人生が見えるのが楽しい。
シェアリング(分かち合い)を行いながらのマインドフルネスはまるで違う
アメリカの講師養成トレーニングでマインドフルネスの先生に指導してもらったり、現在はのりこさんにスーパーヴィジョンを受けているのだが、まるで違う。
自分の一人だけでは、なんともよくわからない不思議な体験を、口にだして分かち合うことで、「ああ〜そういうことか」と腑に落ちる。そしてすごくすっきりする。
自分は約20年間、臨床心理士としてカウンセリングを提供してきたのだが、カウンセリングを何十回とやって得られるような気づきや理解、腑に落ちる体験がマインドフルネスのプログラムでは、「早く、真髄に到達する感じ」がある。
しかも、グループで分かち合ったり、グループで瞑想するとなんだか連帯感も生まれるし、集中もできる。一人じゃないんだ!って思えて、なんだか居場所を見つけたような気持ちになるのは私だけではないはずだ。
私は心理師なので、マインドフルネスで得られた気づきをやっぱり、その人の生きづらさに対して瞑想での気づきが役立つと良いと思う。
今も、マインドフルネス道を修行中
日々の実践と、人に教えることを通じて、学びを深めていきたい。
そして、日本では、宗教でないマインドフルネスを、分かち合いもある場所で提供しているところが少ない。
調べると日本でも結構あるので、そういうところにも参加しつつ、学びを深めていきたい。
そして、当センターでは、分かち合いを行えるマインドフルネスの体験を提供していきたいと思っている。