マインドフルネス心理臨床センターでコロナ禍に実施した無料瞑想会のエビデンスが、心理臨床学研究に掲載されました

「COVID-19拡大初期における無料マインドフルネス瞑想会のメンタルヘルスへの影響」

心理臨床学研究 2022 Vol.40, No.5. pp.426-431

石黒香苗 マインドフルネス心理臨床センター

勝又結菜 東京大学大学院 教育学研究科

小林亜希子 マインドフルネス心理臨床センター

要約:

本論文の目的は、1回のマインドフルネス瞑想会の前後でどのようにストレス反応が変化するかを検証し、COVID-19 流行下におけるマインドフルネスの効用を検討することである。

オンラインにおける無料瞑想会への参加者128名を対象とし、調査を行なった。調査票は、無料想会前後において心理的ストレス反応尺度を実施した。

ストレス反応の各下位尺度における変化を検討した結果、テスト時点(Pre 期.Post 期)の主効果はいずれも有意であり、すべてのストレス反応得点において,瞑想会前より瞑想会後の得点が有意に下回った。

また、居住形態を放験者間要因、テスト時点(Pre期、Post 期)を被験者内要因とする2要因混合計画の分散分析を行ったところ,交互作用が有意傾向となり、一人暮らしの群と家族(中学生以下を含む)と同居の群においては、瞑想の前後で「Depression-Anxiety(加うつ・不安)」が有意に低くなることが示された。今後は,腹想会前後のみならず、その後の変化や,時期による効果の変容について調査することが期待される。

キーワード:マインドフルネス瞑想、ストレス反応、新型コロナウイルス

2020年、5月上旬から、6月下旬にかけて8回開催したオンラインの無料瞑想会で、倫理的配慮をおこなった上でアンケート調査を実施した。当センターでの無料瞑想会の実施担当者は、公認心理師・臨床心理士2名(うち1名、MBRP講師、うち1名The institue for Meditation and Psychotherapy当時受講中)、およびMBSR講師1名の計3名であり、瞑想についてトレーニングを受けた講師であった。

今後も、当センターではエビデンスに基づくマインドフルネスのプログラムを実施していきたいと考えております。アンケートにご協力くださった皆様ありがとうございました。