心理職の方の「マインドフル・セルフ・コンパッション6週間短期コース」感想

 

「援助専門職にこそ受けてほしい」

参加者:Aさん 公認心理師/臨床心理士、教育領域 女性 40代 臨床経験20年以上)

どうして、受講したのか?

様々なコースがある中で、時間や期間などからこのコースを受講した。マインドフルネスについて、単発の講座や研修でそのエッセンスに触れる機会はあったが、通して学んだことがなかったことと、「セルフ・コンパッション」は、臨床のみならず、自分自身への視座を問う内容になっている気がしたからである。もちろん、入門編や基礎から新しい手法を学ぶ機会や、最新の知識を得る講座と銘打たれているのであれば、6週間でも8週間でも参加をいとわない専門職は多いだろう。それは支援者としての自覚が強いからにほかならないが、それもあいまってか、自分のために時間を取ることは、なぜか惜しみやすいのではないだろうか。私もそんな一人であった。

今までの研修との違い

 今まで受講してきた他の講座との大きな違いは、集中して参加すればいい、というものではないことだった。強制ではないがホームワークがあり、講座と講座の間が切れ目なくつながっているような印象を受けた。講座の時間内でもワークをやり、自分と向き合うこと、その経験を話し、他の受講生の体験も分かち合い、講師の先生のコメントが入るのだが、そのコメントは一人一人が尊重される感じがあり、それでいて、押しつけがましくなく流れていく。自分のコメントが恥ずかしくなったり、話したことを後悔するような体験にならず、参加者同士も仕事モードではなく、一人の人としてそこにいられる時間であった。

 そうではあるものの、折り返しのセッションまでは、なんだか長いような気もしていた。セッションの中で気づく自分のありようは、自分が受け入れやすい自分ばかりでもないからだ。普段、仕事で出会う人に言っていても、自分自身には言えていなかったりすることはたくさんあるだろう。そのことに気づいていても触れずに済ませているかもしれない。この講座では、そんな自分を叱咤激励するのではなく、優しさを向け、人とつながりながら、自分自身を味方にする方法を取り入れていく、というプロセスが繰り返されていく

その場にいることが大事

途中、業務都合で1度出席が叶わず、後から録画でその日の内容を見せてもらった。知識として追いつけたのはありがたかったが、その場の空気感を味わう機会を逸したことが、本当に残念に感じられた。オンラインであっても、そのくらい、その場にいることが大事な機会であったように思う。

あっという間の6週間

 折り返しを迎えてからのセッションはとても早くなり、あっという間に、この講座を6週間、共に受講してきた「仲間」と別れることになった。対面で話したり、連絡先を交換したりしたわけではなく、先方がどう思っているかは分からないのだが、別の講座でまた一緒になったとき、声をかけたくなるような、そんな感じを体験した。

その後の変化

 講座が終わり、日常の忙しさに変わりがなくても、自分自身でいることが、ちょっと快適になっている。とはいえ、このやり方に自信を持つには、まだ少し応援が必要だ。復習のセッションがあるといいな、と思いつつ過ごしている。講座で学んだことが臨床にどう生きているか、言語化できるのは、まだ少し先かもしれない。だが、自分が自分自身の味方になれれば、その強みを発揮できることは間違いなく広がるはずだ。

専門職だからこそ、気負わずに参加してほしい、と願っている。