マインドフルネスは心理・医療の現場でどう活かされているのか?― MBRP講師養成講座修了生5名の実践から見えたこと ―
MBRP(Mindfulness-Based Relapse Prevention:マインドフルネスに基づく再発予防プログラム)は、依存症やアディクション支援のために開発された、エビデンスに基づくマインドフルネスプログラムです。
MBRPは「依存症のためだけのプログラム」と思われがちですが、近年では、依存症支援だけでなく、精神科医療やメンタルヘルス、行動変容を支援するさまざまな場面でも、その考え方が活用されています。
では、実際にMBRP講師養成講座を修了した支援者は、どのように現場で学びを活かしているのでしょうか。今回は、精神科病院、総合病院、摂食障害支援施設、産業保健、依存症専門病院で活躍する5名の修了生にお話を伺いました。
精神科病院──依存症支援の実践へ
精神科専門病院で依存症専門デイケアに携わる精神保健福祉士のAさんは、MBRP8週間プログラムのファシリテーターとして実践を重ねています。
デイケアだけでなく、その他の集団プログラム(ミーティング、トラウマケア、飲酒量低減プログラム、ヨガ、など)にもマインドフルネスのエッセンスを取り入れています。
「自信を持ってプログラムを実施できるようになった」「自己受容が深まった」「全国の仲間と出会えたことが大きな財産」と語ってくださいました。
総合病院──患者支援から教育・研究まで
総合病院で勤務する公認心理師・臨床心理士・薬剤師のBさんは、MBRPをグループプログラムとして実施しているわけではありません。
しかし、糖尿病や心疾患の患者さんへの心理支援、喫煙者支援、職員のストレスマネジメント、薬剤師の研究会、医療系大学での講義など、幅広い場面でMBRPの考え方を活用されています。
「正しい行動を促す」だけではなく、その人が自分の体験に気づき、自分に合った選択をしていくプロセスを支援する視点がより深まり、またご自身にとっても、マインドフルネスは大きな支えになっているそうです。
摂食障害支援──安全にマインドフルネスを届けるために
摂食障害回復施設で活動する公認心理師のCさんは、当センターのMBRP8週間プログラムのファシリテーターとしてもご活躍いただいているほか、摂食障害当事者・ご家族向けグループでもMBRPを実践しトラウマ療法の中でも、身体感覚や衝動に安全に触れるための方法としてMBRPを活用されています。
マインドフルネスを支援に取り入れたいけれど、安全に実践できるか不安という支援者にとって、トラウマセンシティブな視点で作られたプログラムで学べることは、MBRP講師養成講座の大きな価値だと話してくださいました。
産業保健──支援者自身のセルフケアにも
産業医として活動するDさんは、臨床において、MBRPプログラムで用いられる、「衝動サーフィン」、「SOBER呼吸法」などを指導で取り入れられています。
また、講師の仲間がいる事、その仲間の活躍が、日々の仕事や日常のモチベーションに繋がっていると語られています。
依存症専門病院──「知識」ではなく「体験」を支える看護
依存症専門病院に勤務する看護師のEさんは、過去にはアルコール依存症の患者さんへの個別支援、現在は勤務する精神科病棟でのプログラムにMBRPのエッセンスを取り入れています。
アルコール病棟では、マインドフルネスに関心を持つ患者さんや再入院を繰り返す患者さんと個別にマインドフルネスやMBRPのワークを実践。現在は、精神科病棟でチェックイン瞑想を取り入れたり、退院後の女性アルコール依存症患者さん向けプログラムの中でマインドフルネスを体験的に伝えています。講座を受講し日々の実践を通してマインドフルネスの効果を自ら実感できるようになり、仕事でも感情に巻き込まれにくくなったといいます。また、「支援者自身が体験しているからこそ、ありのままの姿で患者さんと向き合えるようになった」と語ってくださいました。
講師養成講座は資格取得がゴールではなく、修了後も学び続けられるコミュニティであることが、多くの修了生に共通する魅力のようです。
修了生に共通していた4つの価値
5名のお話から共通して見えてきたのは、MBRP講師養成講座の価値は「講師資格を取得すること」だけではないということでした。
修了生が共通して挙げていたのは、
- 臨床や支援の現場で実践できる力が身についた
- マインドフルネスを安全に伝えるための視点を学べた
- 自己受容が深まり、自分自身との向き合い方が変わった
- 卒業後も学び続けられる仲間とのつながりができた
という4つです。
5名の修了生のより詳細なインタビュー内容は、代表のnoteからお読みいただけます。
https://note.com/mindful_therapy/n/n34dcab5faccf
おわりに
今回お話を伺った5名は、それぞれ異なる現場で活動されています。
しかし共通していたのは、MBRPを単なる「依存症のためのプログラム」としてではなく、「人の行動変容や回復を支えるための実践」として活かされていたことでした。
そしてもう一つ印象的だったのは、多くの方が「支援者として成長した」だけでなく、「自分自身も変わり、同じ志を持つ仲間と出会えた」と語ってくだ去っていることです。
支援者自身がマインドフルネスを実践し、その経験を土台としてクライアントに届けていく——それがMBRP講師養成講座の大きな特徴なのかもしれません。
マインドフルネスを臨床や支援の現場に取り入れたい方、依存症やメンタルヘルス支援についてさらに学びを深めたい方は、ぜひMBRP講師養成講座もご覧ください。
参考リンク:
- 「MBRP講師養成講座」の詳細はこちら→https://mindfultherapy.jp/mbrptt2025
- 「マインドフルネスを教えたい!マインドフルネス講師になるには?」→https://mindfultherapy.jp/column/mindfulness-certification-paths
- 「看護師の方へMBRPをおすすめする3つの理由」→ https://mindfultherapy.jp/column/nurse-mindfulness
- 心理職・医療職がMBRP(マインドフルネスに基づく再発予防)を学ぶべき5つの理由→https://mindfultherapy.jp/column/mbrp-5reasons
- スクールカウンセラー、学生相談担当者の方がMBRP(やめられない!を手放すマインドフルネス)を実践するとよい理由→https://mindfultherapy.jp/column/schoolcounselor-mbrp-mindfulness
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