臨床心理士資格を持つ弁護士がMBRP講師養成講座で得たもの――自己流の実践から「伝えられる実践」へ

今回お話を伺ったMBRP講師養成講座修了生の小林 哲平さんは、臨床心理士資格を持つ弁護士です。

弁護士として多くの相談に向き合う中で、「法律の問題だけでは解決できず、メンタルヘルスが深く関係するケースが少なくない」と実感し、働きながら心理学を専門的に学ぶため大学院へ進学、臨床心理士資格を取得されました。現在は弁護士として活動する傍ら、弁護士を対象としたメンタルヘルス研修などにも携わっています。

もともと、ご自身のメンタルヘルスのためにもマインドフルネスを日常的に実践していた小林さんですが、「自己流で続けているだけでは、人に教えてよいのだろうか」という思いも抱えていたといいます。そこでMBRP講師養成講座を受講し、体系的に学んだことで、実践を深めるだけでなく、人に伝えることへの自信にもつながりました。

講座を通して習慣化できた実践や苦手意識の変化、専門職として感じた学び、そして今後どのように実践を活かしていきたいと考えているのかについて、当センター代表の小林が伺いました。

心理・医療職の方達と学ぶ環境が、実践を習慣に変えた

――MBRP講師養成講座を受講して、印象に残ったことを教えてください。

これまでマインドフルネスを日常生活の中で実践してきましたが、数か月にわたり体系的に学ぶ経験は初めてでした。

特に印象的だったのは、毎週の講義に加え、日々の実践課題があったことです。もともと瞑想の習慣はありましたが、「宿題があるからやらなければ」という気持ちも良い意味で後押しとなり、これまで取り組んだことのなかった新しい実践が自然と生活の一部になっていきました。

また、心理職や医療職など専門職の参加者とともに学べたことも、大きな学びでした。当初は緊張もありましたが、安心して学べる雰囲気があり、一緒に学ぶ仲間の存在が継続の支えになりました。

苦手だったボディスキャンが、毎日の実践に

――講座の中で特に印象に残っている実践はありますか。

「一番印象が変わったのは、ボディスキャンです。」受講前は、ボディスキャンを行うと足がむずむずして落ち着かず、今までは「苦手だからやらない」という実践の一つでした。しかし講座では、毎日継続して取り組むことが勧められます。ガイドに沿って最後まで実践してみると、それまで途中でやめていたから気づけなかったなどの感覚が少しずつ見えてきました。

「意外と気持ち悪くないな」「むしろ心地いい」と感じられるようになり、今では寝る前に自然と取り入れる習慣になっています。気軽に始められ、心が落ち着き、ぐっすり眠れる。ボディスキャンは、現在も日常生活の中で最も活用している実践の一つになっています。

アディクションだけではない──感情との向き合い方にも活かせるMBRP

――依存症へのアプローチについては、どのように感じましたか。

自分自身、あまり依存と呼べるようなものはないと思っていますが、講座を受ける中で、依存症だけでなく日常の感情との向き合い方にもMBRPの考え方が応用できると感じました。例えば、仕事や日常生活の中でイライラしたときや、感情的に反応しそうになったとき。そんな場面では、MBRPで学んだSOBER呼吸法を活用し、一度立ち止まって自分の状態を観察することを意識するようになりました。依存症だけを対象としたプログラムではなく、誰もが経験する感情の揺れや反応のパターンにも役立つ実践として、MBRPの学びを日常生活に取り入れています。

「自己流」から「伝えられる実践」へ

――講座での学びは、お仕事にどう活かされていますか。

現在、弁護士として活動する傍ら、弁護士を対象としたメンタルヘルス研修などでマインドフルネスを紹介する機会もあります。弁護士業界では不祥事の起きる背景には、メンタルヘルスが絡んでいることがとても多いと言われています。紹介してみると、「私もマインドフルネスをやっているんです」と言われる先生もいらっしゃり、メンタルヘルスに気を使われている弁護士の間では、マインドフルネスに取り組まれている方もけっこういらっしゃるんだなと気づきました。

受講前からマインドフルネスは実践していましたが、「自己流で続けているだけで、人に教えてよいのだろうか」という迷いがあったといいます。MBRP講師養成講座で体系的に学び、実践を重ねたことで、その迷いは少しずつ自信へと変わりました。資格を取ったから教えられるということではありませんが、あれだけ時間をかけて学び、実践したという経験が、自分の中で『人に伝えてもよい』という安心感につながりました。

忙しい毎日だからこそ、一歩踏み出してよかった

――最後に、MBRP講師養成講座の受講を検討している方へメッセージをお願いします。

受講を決めるまでには、大きな迷いもありました。幼い二人の子供を育てながら弁護士の仕事をしており、毎週決まった時間に参加することへの不安もありました。しかし、家族の協力を得て一歩踏み出したことで、想像以上に多くの学びを得ることができました。

申し込む前は「本当に続けられるだろうか」と悩みました。でも思い切って参加してみると、得られるもの、見えてくるものは本当にたくさんありました。迷っている方には、ぜひ一歩踏み出してみてほしいと思います。

最後に(当センターからのコメント)

小林さんのお話から伝わってきたのは、MBRP講師養成講座は、マインドフルネスを「知る」ための講座ではなく、自ら実践を積み重ね、その経験を支援や教育の現場で活かすための講座であるということです。

すでにマインドフルネスを実践している方や、心理・医療・教育・司法など対人支援に携わる専門職であっても、「自己流の実践」と「人に伝えるための実践」の間には大きな違いがあります。

心理・医療職だけでなく、法律や教育など、人と向き合うさまざまな専門職の方々が、それぞれの現場でマインドフルネスをどのように活かせるのかを仲間とともに考え、実践を深められることも、本講座の大きな特徴です。

ーーー
小林 哲平さんご経歴

千里みなみ法律事務所 副代表 弁護士
 / 臨床心理士 /MBRP講師
アメブロ
https://ameblo.jp/osaka-rikon-bengoshi/entrylist-3.html
note
https://note.com/loyal_ixora9515

ーーー

MBRP講師養成講座について

小林哲平さんも受講されたMBRP講師養成講座では、マインドフルネスの実践を自身で深めながら、心理・医療・支援の現場で安全に伝えるための知識と実践力を学びます。現在9月スタートのMBRP講師養成講座(第3期)の募集を受付中です。

MBRP講師養成講座(第3期)のお申し込みはこちら

https://mbrptt202603.peatix.com/view

MBRP講師養成講座の詳細はこちら

参考リンク:

「マインドフルネスを教えたい!マインドフルネス講師になるには?」→https://mindfultherapy.jp/column/mindfulness-certification-paths

「看護師の方へMBRPをおすすめする3つの理由」→ https://mindfultherapy.jp/column/nurse-mindfulness

心理職・医療職がMBRP(マインドフルネスに基づく再発予防)を学ぶべき5つの理由→https://mindfultherapy.jp/column/mbrp-5reasons

スクールカウンセラー、学生相談担当者の方がMBRP(やめられない!を手放すマインドフルネス)を実践するとよい理由→https://mindfultherapy.jp/column/schoolcounselor-mbrp-mindfulness