セルフ・コンパッションとは

セルフ・コンパッションとは?

セルフ・コンパッションをひと言で言えば「あたかも親しい友達に接するのと同じように、自分にも優しさと理解をもって接すること」で、米国の心理学者クリスティン・ネフが提唱したものです。ネフはセルフ・コンパッションを1)自分への優しさ、2)共通の人間性、3)マインドフルネスという3つの要素で構成されるとして、さまざまな実証研究をおこなっています。

セルフ・コンパッションの効用

セルフ・コンパッションは練習すると高まるスキルです。セルフ・コンパッションが高くなると以下のように実証研究で示されています。

〇 不安や抑うつが低くなりメンタルヘルスが改善する
〇 物事に積極的にとり組もうとする動機づけが高まる
〇 厳しい状況に直面したときにもすぐに修正して対応しようとする
〇 健康に気を遣いやすい
〇 人間関係の満足度が高い
〇 幸福を感じやすい

等の効果があるとされています。

セルフ・コンパッションを実践するやり方

セルフ・コンパッションはある程度の練習を重ねることで、実践できるスキルです。例えば自分の身体の心地よい箇所に手を当てて触れることで穏やかさを感じる方法はスージング・タッチと呼ばれています

また瞑想でもさまざまなやり方で実践することができます。さらにお知りになりたい方は、自習用のワークブック「マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック」(ネフ&ガーマー(共著)富田拓郎(監訳)星和書店)を使って、ステップを踏んで自分で実践することができます。書き込み欄などもあり使いやすい本です。

大事なことは実践するときにうまくいかなくても、そのことを責めずに、まさにコンパッションを向けて自分に接すること、そして、焦らずにゆっくりと実践していくことです。ご自分だけでも学ぶこともできますが、プラクティスやエクササイズの中には多少難しめものもあり、内容を十分理解しているMSC講師のサポートを得ると、より効率的・効果的に学ぶことができるでしょう。

できれば正規の講師資格のある人から正規の8週コースで教わることが望ましいのですが、最初からハードルが高いと少し心配になるという方は、オンラインなどで開催されている、無料のセルフ・コンパッション瞑想会などに参加し、肌合いを感じとって頂くことをお勧めしています。

文責:富田拓郎